頂き女子高生が間違ってついてきた。

冴えない僕が彼女と出会ったのは、本当に何となく選択した事がきっかけだった。
恐らくこの先の人生でもこれ以上驚くような出来事はもうないだろう。そんな夢のようで嘘のような出来事は突然訪れた。
12月も中旬を過ぎたとある休日。月給より少ないボーナスが支給された僕は、ささやかながら自分への御褒美のつもりで、市内にある少し高めのソープランドへ向かおうと車を走らせた。

 


いつもなら少しでも節約する為に市内まで出るのに電車を利用するのだが、ボーナスで懐が暖まっていたこの日だけは、料金を気にせず駅前にあるコインパーキングに車を停めた。平日だったから最大料金が適用されるだろうと料金表も見ていない。
平日の夕方なのに駅前はやけに混雑していて、歩きながら観察していると、人混みの3割ほどを外国人が占めていた。久しぶりに足を運んでみると駅の中や駅前の店はすっかり外国人ウケを狙ったハイカラなものに変わっていた。
駅前の大通りを渡って飲み屋街を少し抜けると、徐々に黒服のキャッチが目立ち始める。
「お兄さんどうっすか?可愛い子揃ってますよー!」
「今ならすぐいけますよ!いかがですか!?」
「ねぇねぇお兄さん!30分5千円でいけますよ!」
声を掛けられて無視できない性分の僕は、全てのキャッチに愛想笑いで「いやぁ、ちょっと…」と会釈して相手をしたせいで少し気疲れし、コンビニに立ち寄った。

お目当ての店はもう目と鼻の先だ。店に向かう前にコンビニ前に設置してある喫煙所で、煙草を咥えながら何度も見た店のホームページを再確認した。キャストと書かれたボタンをタップすると、現在出勤している女性の一覧が開かれる。写真の女性は全員の顔にぼかしが入っており、正直好みかどうかなど分からない。それに高級店だからか、全員がエレガントに着飾っていて敷居が高く感じる。
プロフィール欄に女性一人につき数枚の別アングルの写真が載せてあるが、どれをタップしスワイプしても好みの女性を絞れない。そして顔が分からないのならスタイルと雰囲気で決めれば良いと思い、好みのスタイルを持つ女性を再確認するようにじっくり探した。
それでも家を出る前に確認した時に良いと思ったアンナという女性が再び候補に上がり、気持ちは揺るがなかった。22歳と表示されるギャルっぽい彼女は、胸は少し小ぶりだが、綺麗に伸びた褐色の脚は僕の性欲をそそった。
ついでにシステムと表記されたボタンをタップし、再度料金を確認した。60分で5万5千円。だが、この金額はフリーで利用した場合の価格であり、キャストを指名するのならプラスで指名料がかかる。
アンナの指名料は3千円と記載されている。ホームページを見たと伝えると千円割引してもらえるが、それでも総額5万7千円だ。
交通費も入れたらほとんど6万じゃねぇか、と小言を吐きそうになりつつも、グッとこらえて代わりに煙草の煙を吐き出す。 

つい最近、同僚で唯一の独身だった吉岡がデキ婚してしまった。吉岡とはウマが合ったので休みの日でも頻繁に遊んだ。20代の頃なんかは格安店だがキャバクラやピンサロにも結構な頻度で行った。30代を目前に周囲がどんどん結婚や出産を迎える中でも、僕と吉岡はまるで抗うかのように独身生活を謳歌した。
節制し、付き合いが悪くなったいく同僚は放っておいて僕達二人は時間と財布の金が許す限り、遊ぶに遊んだ。しかし今年の夏。僕が31の誕生日を迎えてすぐに吉岡から「結婚する事になった」と告げられた。吉岡には学生時代から引っ付いたり離れたりを繰り返していた腐れ縁の恋人が居たらしく、とう
とう彼女が妊娠したらしい。
「そろそろと潮時だわ。ほら年齢的にもな」と吉岡は言った。僕は色んな事に唖然とした。吉岡に彼女が居た事、結婚願望があった事、一人取り残された事。僕はひきつった笑顔で「すげーな!おめでとう」と伝えてそれきり吉岡との関係はほとんど無くなった。
所詮僕達はたまたま同じ会社に所属しているだけで、友達でも何でもないただウマが合うだけの同僚だったんだ。他人の人生なのだから仕方がないと頭で分かっていても、僕は自分が惨めに思えて仕方なか
った。
吉岡の結婚はすぐに社内に広まって、唯一の独身者となった僕は皮肉にも周囲の男性から「いいなー独身貴族。戻りてぇ」と崇められた。
そう言われる度に「独身は気楽でいいぞ~」と茶化した。しかし実際は焦りもあり、密かに街コンやマッチングアプリでパートナーを漁っていた。僕も出来る事なら結婚したい。ただ現状相手が居ないのだ。だから興味ない風を装っている。
ぼーっとしていていつの間にか煙草の火種が、フィルター近くまで迫り指に熱を感じてようやく我に返った。そして同時に自分はこんな所で何をしているんだ?と自己嫌悪に陥る。
気分が下がり始めた。このまま店に行くのもやめようかな、高いし。……いや、ダメだ、せっかくここまで来たんだ。今日は年下のお姉様に癒してもらうんだ。
目を細めたくなるほどギラギラとした装飾の店の前に立つ。今まで通った激安店なら店前に黒服がいて、そこである程度注文を済ませて流れに身を任せてればすんなりプレイが楽しめる。だがここには誰もおらず、かえって入りづらさが増した。
少しメルヘンな木製の扉を開くと目の前に黒服が一人立っていた。黒服は僕を見るなり「いらっしゃいませ」と頭を下げ、ジェルでガチガチに固めた光沢のある髪をこれでもかと見せつけた。まるで高級ホテルのコンシェルジュのような品の良さに圧倒されながらも、僕はプレイ時間とアンナを指名したい旨を伝えた。
黒服は手元にあるタブレットを数回叩き、わざとらしく表情を曇らせた。
「申し訳ございません。アンナさんは本日すでに御予約で埋まっておりまして。メグさん、リカさんならすぐに遊んで頂けますが……」
そう言って黒服はカウンター横にでかでかと貼り出したパネルを指差した。
「マジっすか……うーん」
紹介された二人の女性は共に真っ白なグラマラスボディーで、少しぽっちゃりとしていた。いわゆるマシュマロボディーだ。しかし見た感じ両方タイプではない。残念な気持ちと安堵が同時に押し寄せる。
黒服は芳しくない僕の反応を見て「お好きな女性のタイプは?」と丁寧に代替え案を提案しようとする。
「標準体型か細身でギャルっぽい子が好きですかねぇ。可愛い系よりも美人系で」
「かしこまりました。少々お待ち下さいませ」黒服は再びタブレットを叩いた。
「個人的にはルナさんなどおすすめです……しかしお時間がちょっと。90分待ちですがどうでしょう?」
黒服は一応といった感じでパネルを指差して、ツインテールのギャルで巨乳の彼女を紹介してくれた。
「いや、ちょっと時間が……すいません、また今度出直します」
「左様でございますか。せっかくご足労いただいたのに大変申し訳ございませんでした。最後に当店の御予約のシステムだけ」と黒服は立ち去ろうとした僕を引き留めて、非常に丁寧に教えてくれた。
黒服の対応の良さに、店を後にしても僕の気分はそれほど悪くなかった。どうせならこのまま他の店を探してみよう。ピンサロでも性感マッサージでも何でも良い。とにかく抜きがある店を。

さっきいたコンビニに戻って煙草を吹かしながら近隣の風俗店のホームページを漁った。そうしながら辺りを見回すと風俗店と飲み屋が蔓延る通りなのに意外と女子高生が多く歩いているのを見つけた。
通学路というよりも、まだ夕方だし恐らく下校中に市内で買い物をして興味本位で通りを歩いているのだろう。
僕はスマホから目を離し、目の前を通り過ぎて行く女子高生の生脚を舐めるような視線で見つめた。
やっぱり若いって良いな、体もまだ華奢な子が多く張りがあって柔らかいのが見ただけで分かる。
妄想で少しだけ股間の血行が良くなった時。いきなり隣から「こんばんわぁ」と声を掛けられた。
「っっ……!?」あまりにもいきなりだったのでギョッとした。反射的に隣を向くと、そこには見知らぬ女子高生が居た。目がパッチリとしていて鼻筋もシュッとしてシンプルに美人だ。幼さはあるものの、一瞬芸能人かと思った。少し茶髪がかった髪は綺麗に巻かれていて、凄くキッチリとした身だしなみをしている。
「はい…?」
「お待たせでぇす。行きましょ!」
「えっ…?あ、あのちょっと……!?」
女子高生は僕が着ているダウンジャケットの袖を引っ張った。隣で煙草を吸っていたやや年配の男性が今にも何か言ってきそうな顔で、僕と彼女のやり取りをジッと見ていたので、泣く泣く彼女についていく。
「ちょ、ちょっと待って!」
「一応知り合いとかに見られたくないんで」
彼女は僕を引っ張りながら歩く。前を歩く彼女の足元に視線を落とすと、ブレザーと変わらない丈のスカートが目についた。そこから伸びる細く白い脚がた僕を変な気持ちにさせる。

「やっ、だからっ!そうじゃなくて!」
「はい?とりあえずここから離れよぉ」
特に急いでいた訳ではない僕は、様子を見ながら一旦口を閉じる。彼女は一体何者で何がしたいのだろう?それにこんなに美人な子が僕に声を掛けるっておかしいだろ。新手のキャッチか?
不安や焦りはあったものの、それも次第に好奇心へと変わる。駅前の通りに出た頃には僕はもう自力で彼女についていっていた。
信号を待っていると彼女が前を向きながら「電車ですか?」と訊いた。
「いや、車だけど」
「あ、そうなんですか?じゃあすぐ行けますね。どこ停めてますぅ?」
「そこの角を曲がった大きいパーキングだけど…てかどこ行くつもり?それに今さらだけど誰?」
彼女は一瞬訳が分からないといった表情を浮かべ、「はぁ?澪ですよ!澪!」と笑った。
「みお?」
本当に分からなかった僕は相当マヌケな顔だったのだろう。彼女は鼻で笑い「はやく行こっ」と歩みを進める。
精算機で17番を押して清算を済ませてバーを下ろす。彼女は17番の枠を探して僕の愛車を見るや「プリウスミサイルじゃん!」と笑った。彼女が美人だからか不思議と嫌な気はせず「あー、老人の事故ね」
と適当に流した。
てっきり彼女は助手席に座ると思って荷物を片付けたが、彼女は後部座席に乗った。
「助手席じゃないの?別にどっちでもいいけど」
彼女は一瞬フリーズし「え…まぁ、こういうのは後ろですけど」と小さく笑った。意味が分からなかった。
彼女の様子を伺いながら、しばらく適当に車を走らせると「あ、そこのコンビニ」と声を上げた。

見ず知らずの女子高生を乗せている後ろめたさから、できるだけ目立たない端っこに車を駐車する。
ここでヤバい奴が何人も出てきて美人局でしたーってオチじゃねぇだろうな?と急に不安になった僕は、エンジンは切らずアクセルペダルに足を掛けながらギアシフトを握って黙って彼女の次の言葉を待った。
「結局どっちにしますか?口?」と彼女は後部座席から声を掛ける。どう答えるのがベスト返事に戸惑っていると「ふふ、じゃあ先に食事にしましょうか」と言われた。薄々感付いていた僕の疑問が確信に変わった。 

「これってパパ活…だよね?」
「へっ?」彼女はすっとんきょうな声を上げた。そして「メッセージの文面で絶対おじさんだと思ってたけど、潤さん思ってたより若くてびっくりしたぁ。肌もスベスベですねぇ。まぁまぁイケメンだし」
と言いながら背後から僕の頬を優しく撫でた。
「ちょ、ちょっと待って。今さらだけど多分…いや絶対に君は人違いをしてるよ」
「はい?潤さんですよね?待ち合わせ場所にいたじゃん」
「違う。一樹…僕は一樹だよ」
本当に時が止まるという瞬間を初めて肌で感じた。
「え?どうゆう事ですか?じゃあこれは?」彼女はやや焦りながらマッチングアプリでのメッセージのやり取りを僕に見せた。
「いや、だから人違いだって。そのアプリ自体使ってないし」
「え、待って待って…やば」
彼女が黙り込むのに釣られて僕も黙る。
「何が何だか分からないまま来ちゃったけど。とりあえず送るよ、どこ行けばいい?」
後ろに振り返って訊くと「マジヤバい」と彼女は失笑した。どこか懐かしい香りがする香水が僕の鼻腔を抜ける。
僕の頭に一つの事がよぎった。この子とそういう事をしたらいくらなのだろう?現役の女子高生っぽいし、ソープに行くよりも安く済みそうだ。
「ねぇ、ちょっといい?」
「…え?あ、はい?」
「僕の相手してくれないかな。ほら、これも何かの縁だしさ。いくらなの?」ルームミラー越しに彼女
と目が合った。
「口だけなら諭吉1枚で本番なら3枚。もちろん部屋代は別で」
「ゴムは?」
「してください」
僕は変なスイッチが入ってしまった。

「とりあえずさ、後ろ行っていいかな?」
本能的に拒絶されても傷付かないよう冗談めかして言ってみたが、彼女からの返事はなかった。
運転席から降りてゆっくりと後部座席に向かう。
嫌ならいっそのこと逃げてくれ。それなら諦めがつく、と思いながら進むも彼女は座ったまま微動だにしなかった。
後部座席のドアを開けて隣に座ると、先ほど鼻腔を抜けた懐かしく良い香りが再び鼻を抜けた。
慣れない手つきで彼女の頭を優しく撫でる。これまで遊んだ風俗嬢なら何ら気にせずスルーしていたが、澪は若干体を引いた。そんな澪を見て躊躇してしまい、一瞬だけ手を止めたが僕は何度も彼女の頭を撫でた。
身を引いたまま黙り込む澪を横目に、僕の手は彼女の頭から耳、頬に移動する。そして手が首元に触れた時に彼女の全身の力がいっそう強まった。
僕は拒絶感を出す彼女を無視し、彼女の顔を引き寄せるように自分の元へ寄せた。
「あっ…だめっ…」彼女の抵抗も虚しく、僕の唇が彼女の口を塞いだ。
唇を重ねると自分の唇が緊張でいかに乾燥していたのかがよく分かる。彼女の使用しているリップクリームのほのかに甘いフルーティーな香りが、僕の性欲を余計に掻き立てた。
「んん……ん…」
僕は今こんなに可愛い女子高生とキスをしているんだ、と想像するだけで自然と唾液の量は増し、唇の端から顎にかけて唾液がこぼれ落ちる。
右手で彼女の胸を何度か繰り返し揉む。揉めば揉むほど揉むほど彼女の息遣いは荒くなり、次第に喘ぎ声も大きくなった。 

「エロいね」僕はそう言って右手を彼女の太ももの上に乗せた。触れて初めて分かったが、彼女の太ももは毛穴の感触が一切なくとても美しい脚をしていた。脚を愛でるよう何度もさすり、そして右手をそのままスライドさせてスカートの中に入れた。
指先にパンティの感触が伝わる。まだ感触だけで、色までは分からない。それでもテラテラの生地をした彼女のパンティは触れた瞬間に分かるほど濡れていた。
デリケートゾーンを中指で優しくなぞり、彼女がかすかに放つ喘ぎ声を感じとる。
指で生地を引っ掻けて浮かし、その隙間から指を侵入させた。指先にジョリっと彼女の陰毛の感触を受けながら優しくなぞり、ゆっくりと膣の中に指を挿入した。
「はぁ……っん」
指を入れると彼女は喘ぎながら痙攣し、抜くと吐息が漏れた。僕はそれを何度も続けた。これまで風俗嬢相手にしたように何度も何度も。
「ああっん!も…お無理っ…ああ!!」
彼女はいっそう大きな声を上げると、僕の中指が膣の奥に入ったと同時に「あぁん!!」と全身の力が一気に脱力した。かつて同じような反応をした風俗嬢もいたが、目の前の澪の姿を見た後に思い返すと、彼女達の反応の全てが客だった僕へのサービスだったのだと実感した。
彼女は手で口を押さえながら目を閉じて肩で息をしている。あまりにも大人の色気が出ているので、本当に現役の女子高生なのか?と疑いたくなる。
僕は中指に付着した彼女の愛液を口に入れた。少々潔癖の僕でも、容姿が良い女性のものなら何のためらいもなく堪能できる事を知った。
かすかな塩味を舌先で味わい、隣でぐでっとしている彼女の肩を抱いて、さらに胸を揉む。
「イッちゃった?」
僕が意地悪っぽく訪ねると、彼女はキッと僕を睨み付けながらパンパンに膨らんだ僕の股間に手を添えた。突然の事少し困惑していると彼女は不敵な笑みを浮かべ言った。
「これで終わりとでも?」
そして添えてあった彼女の手は激しいシゴキに変わっていく。